医学部合格を果たした家庭の体験を元にこれから医学部を目指す皆さんにアドバイス

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医学部を目指す受験生と保護者の皆さんに伝えたいこと

医学部に入ってから医者になるまでの長く険しい道のりを解説

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世間では、医学部に入ってしまえば、医師国家試験を受けられ、そして医師免許が取れる!ぐらいに思われているかと思います。確かに6年間勉強して試験に合格すれば医師免許が取れます。しかし、その道のりがとても厳しいものであることは当事者の医学部生しか知られていないと思います。ここでは、無事医学部入学できたとしても、とても厳しい現実が待っていることを知っていただき覚悟を決めていただきます。先にも言いましたが、医学部を目指すこと、医師を目指すことは半端な気持ちでは挑戦できません。いや、すべきではありません。なぜなら、それは人生を賭けた挑戦になるからです。

目次

医学部卒業までの年数は6年?

はい6年間で卒業できます。しかし「留年」しなければ!です。

医学部は留年率が異常に高い!やめていく生徒もいるという事実。

医学部は、本当に勉強し続けなければ授業についていけず進級試験を通過することができません。ほぼ全ての医学部が全ての教科が必須であり、1つでも落とすと留年してしまいます。大学によって多少異なるでしょうが、各学年で毎年5%〜10%が留年するようです。しかも、細かい規則はありますが、3回目の留年で放校(ようは退学)となってしまいます。ついていけずやめていく生徒も少なからずいるようです。

実は私の子供も1度留年してしまいました。1つだけ科目を落としてしまったためです。他の科目がどんなに優秀な成績でも関係ありません。留年を子供から知らされた時は、本当に頭がクラクラして頭が真っ白になりました・・・・

私の子供曰く、受験勉強の方がましだ!と。親の目からは、そんなことないだろうとも思いますが、大学生になっても毎日遅くまで勉強していますし教科書も分厚い医学書とか何冊もあり、まんざら嘘ではなさそうです。お子さんも、親御さんもこんなリスクがあることを知っておいてください。

6年目に卒業試験があり合格しなければ医師国家試験を受けられない

通常、大学では必要単位を取得し卒業論文を提出すれば卒業できますね。しかし医学部では卒業論文はなく、卒業試験というものがあります。そしてこの卒業試験に合格した生徒だけが医師国家試験を受ける資格を得ます

実はこれが恐ろしい落とし穴なんです。どの医学部も医師国家試験の合格率を競い、それがその医学部の評価につながります。医学部比較で発表されるのは合格者数ではなく合格率です。おおよそ90%〜95%の合格率がありますが、何も知らない世間の人は、「なーんだ、簡単なのかな、ほとんどの受験者が受かるじゃん」と思うでしょう。違うんです。大学は医師国家試験を受かるレベルの生徒しか卒業試験を合格にしないんです。つまり医師国家試験に受からないような生徒は、6年で卒業できず留年させられているんです。

考えてみてください。各学年で5〜10%が留年する中でストレートに進級し、卒業試験も一発合格、医師国家試験も合格する生徒がどれだけいるかを。ストレート組みは40%程度。怖くなってきませんか。

医師国家試験を合格し医師免許を取得しても5年〜6年の研修がある

医師免許を取得したら医療行為はできます。しかし、すぐには臨床行為(診察・治療行為)を行うことはできません。法律では

●医師国家免許取得後、研修医として2年間初期(前期)臨床研修を受けることが義務付けられている。

この初期臨床研修を終了すると、初めて保険医登録が認められ臨床行為や開業をすることが認められるのです。

初期(前期)臨床研修(2年間)とは?

医師免許取得後、大学病院、または厚生労働大臣の指定する病院で2年間の初期(前期)臨床研修を受けます。研修の目的は専門分野に偏らず、一般的な診療に総合的に対応するための基本的能力を身に着けることです。よく漫画やドラマで見るように、研修医は指導医のもとで診療の経験を積んでいきます。以前は研修医は、ほとんど給料がもらえず他の病院の夜勤のバイトに行ったりする必要がありましたが、法律が改訂され研修医の生活を保証するレベルの給与が支払われるようになりました。アルバイトは禁止され、国としては、月額30万円、年収で360万円相当の給与を出すよう求めています。この段階では、まだまだ高収入とは言えませんね(笑)。

後期臨床研修(3〜4年)とは?

前期臨床研修の後、3〜4年間ほど後期臨床研修を行います。法律では義務付けられていませんが、専門医の指導のもと、認定医や専門医の取得するために大半の医師が後期臨床研修を受けているのが現状のようです。ちなみに、後期臨床研修中も給与は出ますが、アルバイトが認められるようです。

博士号取得まで目指すならさらに4年

医学博士を目指すなら、研修終了後にさらに4年大学院に入る必要があるそうです。他にも、大学病院に勤務しながら研究をし取得を目指すこともできるそうですが、近道は大学院。しかし、大学院生は学生のため。給与がありませんので、その間無給となるため、アルバイトをすることになりますね。

まとめ

以上、医者になるまでのシビアな世界をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。怖い話もしましたが、要はちゃんと勉強し続ければなんの問題もありません。もう一度、ストレートに医師になるまでの道のりを時系列に記載してみます。あなたのお子さんは頑張れそうですか?それだけの強い意志を持てそうですか?

●小学5年生からの中学受験準備塾通い 2年間

●中高一貫校通学 6年間

●医学部通学 6年間

●初期(前期)研修 2年

●後期研修 3〜4年

合計19年〜20年間(留年しなければ)、医師になるという強い意志を持ち続けなければなりません。そして親はその間、子供を精神的にも経済的にも支え続ける覚悟が必要です。本当に長い長い道のりです。

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