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2022年医師国家試験の残酷さに対し親として思うこと

更新日:

2022年2月5日は医師国家試験の受験日でした。

この受験資格を得るために、医学部の6年間(中には留年して7年?)必死に頑張ってきたことでしょう。

いや、多くの受験生はそれこそ小学生の時から塾に通い、多くのものを犠牲にしながら医学部受験のために死に物狂いで勉強してきたはずです。

その集大成としてこの医師国家試験がある訳です。

目次

どんなに皆が頑張っても医師国家試験受験者の上位約90%までしか合格できないとういう事実

別の記事でも書きましたが、医師国家試験は相対評価のため受験生の成績上位約90%が合格でき、下位約10%が不合格になってしまう事が決まっている試験です。

どんなに皆が成績が良かったとしても、必ず上位90%程度しか合格できないのが医師国家試験なのです。

ですから、何点取れば合格とかではなく、安全圏が分からずとても気を抜けません。いや気を抜いた人から落ちていくと言ってもいいでしょう。

詳しくはこちらの記事をお読みください→こちら

なぜこんなことになるかというと、毎年新人医師を世に送り出す適正人数があるからです。

医師不足になってもダメだし、医師の過剰供給もよくない。要は引退する医師と新しく医師になる人が同じぐらいになるよう人数を調整している訳です。

毎年ほぼ1万人程度が受け、その内約9000人が合格するのがこの数年の傾向だということは理解しておかなければなりません。

どんなに優秀でも試験で上位90%に入れなければ医師国家試験浪人です

成績上位90%に入れなかったらどうなるか?

もちろん、不合格です。いわゆる医師国家試験浪人(通称=国試浪人)決定です。

医学部は卒業したけど、医師免許が無い「ただの医学知識が豊富な医学部卒業生」というだけの存在です。

もちろん医療行為は一切することはできません。

医学部在学中は、検体解剖をやり、臨床研修にも出て、「スチューデントドクター」という資格にはなっています。

その資格でも必ず指導医師同席の下しか医療行為はできません。ひとりでは何もできないただの医学生なのです。

しかも、大学を卒業してしまうと、医学部生ではなくなるので、この「ステューデントドクター」という

資格さえなくなるので医療に携わることは一切できなくなるのです。

医師国家試験浪人はとても孤独です。

大学は卒業しているので、大学に残るわけにはいきません。

多くの浪人生は現役医学部生とともに塾の「医師国家試験コース」を受講する事になります。

学費も大学に行く以上にかかる場合があります。300万前後の場合もあるようです。

かかるお金も大きな負担ですが、後が無い!そのプレッシャーが半端なくきついのです。

それは、医学部受験での浪人とまた異質の、より苦しいもののようです。

医師国家試験にそのまま合格できなければ「唯の頭のいい人」で終わってしまいます。

塾の講師になるぐらいしか就職先がないかもしれません。

怖いのは、この医師国家試験浪人になってしまうと、翌年の再挑戦で合格できる可能性が大幅に落ち込んでしまうことです。

一説には1浪すると合格率は50%、2浪で10%を切る・・・なんてデータも見た事があります。

【2021年の医師国家試験の実績】

●第115回医師国家試験の合格者発表では、新卒と既卒を合わせた合格率は91.4%で、過去10年では3番目の高さ。

●新卒は94.4%、既卒は54.5%だった。※既卒=国試浪人生(1浪〜多浪)

●全体の出願者数は1万160人(うち新卒9359人)、受験者数は9910人(同9159人)、合格者数は9058人(同8649人)。

●合格率は男性90.4%、女性93.4%で、合格者に占める女性の割合は2020年と同水準の33.6%だった。

このように新医師国家試験は圧倒的に現役医学部生が強いのです。

ですから、現役の皆さんは、最初の医師国家試験に全力を振り絞る必要があります。

でなければ、多浪をした末に、合格を諦めざるおえなくなり、医師になる夢を断たれる事だって十分あり得るのです。

事実、一定数そうなってしまう人が必ずいるのですから他人事では無いのです。

想像できますか、小学生の時から医学部合格を目指して必死に勉強し、やっと医学部に入り、そこから6年間必死に医師になる勉強を続けたのに、最後の最後に医師国家試験にどうしても合格できなくて、医師になる夢を諦めざるをえなくなってしまうなんてことを。

約15年間が全くの無駄になるだけでなく、別の人生をやり直すには歳を取りすぎてしまっている・・・・。

人生の勝ち組だと思っていたのに、最悪の負け組に転落。医師を目指していない高校時代の同級生はその時点で会社員として数年経験しある程度バリバリ活躍している。

結婚もしているかもしれません。社会人として、かなりの差を付けられているのです。

そうならないためにも、医学部現役時代に必死に頑張らないと。

まさに、医師を目指す道は、潰しのきかない、一本道の険しい道なのです。

なぜ多浪生は医師国家試験の合格率が落ちてしまうのか?

通常、勉強している時間が多ければ多いほど試験の成績は良くなるものです。

ですから得点力に関しては現役生よりも圧倒的に浪人生の方が得点力が高いはずです。

しかし医師国家試験は少し違います。

一通り試験の過去問を勉強してしまっている浪人生は、基本的な部分のおさらいや、理解を深めることを疎かにしてしまい、過去問の答えは覚えてはいるけど、それは問いに対しての答えを覚えているだけ。なぜそうなのか考えるのではなく、暗記問題として答えを覚えてしまう傾向にあるそうです。新問題や応用して考えなければならない問題に弱くなってしまうそうなのです。しかも、臨床の現場から離れてしまう事で、現場感覚が薄れ、ますますその傾向は強くなってしまうのです。

もちろん、加齢による記憶力の低下もあるでしょう。

我が子はまだ現役医大生なのですが、やはり現役で、その年の研修体験や指導、実地で勉強したことを覚えているうちに試験に合格しないと、だんだんその体験が記憶から薄れていき不利になってしまうだろうと言っていました。

【まとめ】医師国家試験の残酷さに対し親として思うこと

どうでしたか。医師国家試験の合格率が90%の本当の怖さがわかっていただけましたか。

私は多くのブログ記事で、医学部受験は受験生本人はもちろん、家族も多くのものを犠牲にしながら一緒に戦って初めて合格を手にできると言ってきました。

ですから、そんな我が子がもしここで書いたように、万が一医師国家試験浪人になってしまったらと思うとたまりせん。

もし浪人したり、その末に医師を諦めるようなことになったら、何のためにこれまで頑張ってきたのかと悔しい思いをするのは受験生と同じです。

我が子は今5年生で試験まであと1年。今から油断しないように事ある毎に気を引き締めるように言っています。

我が子は医学部2年生で一度留年した経験があります。1教科だけどうしても苦手で克服できなかったためです。

今から思えば、その留年はいい薬になったかもしれません。

留年したことを聞いた時には、親として腹もたちましたが、心折れる思いでもありました。

その時辛く悔しい思いをした事で、親子でその後の医学部生活を決して気を緩める事なくやってこれました。

これから医師国家試験を受ける準備に入る医学部生の皆さん、ぜひ現役で合格を勝ち取れるよう頑張ってください。

今は辛く苦しいかもしれません。でも国試浪人になってからの辛さに比べたら軽いものです。

本当に油断禁物です。頑張ってください。

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