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医学部選びで医師国家試験合格率を参考にする時の落とし穴

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もう夏休みのこの時期だと、受験生の皆さんは既にどの医学部を受験するか決めて対策を練っていますよね。もしまだ決め切れていないとするとちょっと合格が危ういですよ。多くのライバル達は志望する医学部対策を1年も前から始めているのですから。

まあ、普通は、自分の学力で行ける医学部があるならどこでもいいから行きたい!がみんな本音なのでしょうが。

それでも、慎重に志望医学部を決めたいという人に、少しだけ次のようなアドバイスをさせていただけますか。

「医師国家試験合格率」を参考にする時に陥りやすい落とし穴がある

学費、実家からの距離、偏差値など沢山の選定基準がある中で、あまり皆さんは気にしないかもしれませんが「医師国家試験合格率」というものがあります。平均的に合格率は90%前後といったところですが、それでも大学によって合格率には20%程度の差があるので注目しておくのも無駄にはならないでしょう。

2020年2月に実施された医師国家試験の合格率(新卒+既卒者合計)でいえば、

●最高で私立の自治医科大で合格率100%

●最低は帝京大医学部の79.4%

とほぼ20%もの差があります。両校とも私立の医学部です。国立大学の医学部では

●最高で東京医科歯科大学で合格率98.2%

●最低で熊本大学医学部で82.4%

となっています。国立も私立も似たような感じですね、まあ、いずれにしても80%以上の合格率があると思って間違いないでしょう。

しかし、この医師国家試験の合格率を鵜呑みにしてしまうと、落とし穴にハマってしまうのです。

多くの医学部にとって、この医師国家試験の合格率は大学のレベルを比較評価するとても大切な数値になります。医学部を卒業してもこの医師国家試験に合格しない限り医者になれないのですから当然でしょう。医学部を卒業しただけでは、単なる医学部卒という卒業資格だけ与えられるだけで、医療行為はできないのです。単なる医学知識のある大学卒業生でしかないのですから。

そして、この合格率には大きな落とし穴があり、ちゃんとした見方が分かれば。その医学部の良し悪しを推し量ることができるのです。単純に合格率が高い=良い医学部という訳ではないのです。

多くの医学部は、6年生になり卒業試験を受け、それに合格すれば医師国家試験を受けることができます。しかし、6年生の中には、卒業試験は合格できる力があっても、医師国家試験には合格が難しいと思われる学生もいます。大学としてはそんな学生に医師国家試験を受けさせると結局は医師国家試験に落ちてしまい、大学の評価につながる医師国家試験合格率を下げてしまうことになるので、医師国家試験に落ちるレベルの学生に試験を受けさせないため、卒業試験時点で落第にし、留年させてしまうのです。そんな意図的な操作をするような大学は果たして良い医学部と言えるのでしょうか?

そんな操作をしているかどうかを判断するためには、新卒見込み者だけを対象にした「医師国家試験出願者数」と「実際の受験者数」を見てみれば分かります。出願は卒業試験の前に出されるので、6年生は全員出願します。実際に受験した人数は卒業できた人になるので、その差が留年した生徒数となる訳です。その差が1人や2人なら体調不良で試験を放棄したり、本当に卒業できる学力がなかったと考えられます。しかし、もしその差が5人や10人の単位になると操作があったと疑わざるを得ません。

ちなみに、2020年度で5人以上の差(卒業見込みだったが医師国家試験を受けられなかった数)がある大学は

●国公立大学では奈良県立医科大(8名)、岐阜大学医学部(7名)、鹿児島大学医学部(6名)、和歌山県立医科大(5名)だけです。

●私立大学では桁が違っていて、岩手医科大(32名)、川崎医科大(23名)、日本大学医学部(21名)、をはじめ他にも13大学もあります。

圧倒的に私立の方が6年生時に卒業できず留年する確率が高いということになりますね。

進級が難しい大学は留年する可能性が高いので本当に注意が必要です。ちなみに、我が子は3年生の時に留年してしまいました。

医学部というところは、何も6年生の時に留年の恐れがあるというだけではなく、全ての学年で留年の可能性が高い学部なのです。

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