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コロナ禍の医学部生の授業に危機感を覚える

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何度も私のブログでは言っていることですが、医学部在学中の我が子の現在の状況を見ていて危機感を覚えてしまいます。授業は後期まではオンライン授業。前期はまだ一度も校内での授業は開かれたことがありません。これは何も医学部に限った話でなく、多くの大学で前期はオンライン授業となり、今年の新入生はまだ一度も登校もできずにいるし、同級生にあったことすらないと話題になっているほどです。

目次

医学部は少し他の学部と事情が異なるから危機感を覚えます

ほとんどの大学のほとんどの学部は、オンラインで済ませられたり、授業が遅れる程度で済むのかも知れません。自分で言うのもなんですが、大いなる偏見で言わせていただくと、まあ大学は卒業できて「大学卒業資格」さえ得られたらいいと言う面もありますよね。大学で学んだことが社会に出て役立つわけでもありませんし。私もそうでした。英文学科を出ましたが、ほぼ英語は使ったことがありません。

しかし、医学部は違うのです。おそらく薬学部や獣医学科などの医療系もそうでしょう。これらの医療系学部は、そのまま就職先分野が決まっているため、ある意味大学入学は職業訓練というか職業研修的な面があります。授業の遅れや質の低下は、学生が卒業し医療の世界に入った時に、そのまま医療行為の質の低下に直結するだろうことは容易に想像が付きますね。

特に医学部。我が子から聞いていると、解剖実習や各種研修などほとんどが遅れているか、短縮、最悪の場合は削減簡素化で行われているようです。

実際の臨床現場の貴重な経験ができる実習が短縮、削減されると経験不足の医者が研修医として生まれることになります。それは、現場で働く同僚たちの足を引っ張り負担を強いることになるでしょう。最悪、患者の命に関わることもあるかも知れません。

私が何よりも懸念することは、解剖実習です。通常、数ヶ月かけてグループで献体を解剖し、体の隅々まで観察し、覚えていきます。そしてその中で、人の生命への尊厳や倫理観、死生観をも学んでいくものだと私は思っています。それを1ケ月に短縮して、急いでやってしまうというのです。献体への冒涜とまでは言いませんが、そんな経験しかできていない医学部生にちゃんとした倫理観を求めることができるかはなはな疑問です。

父親として、将来、我が子には立派な医者になって欲しいと当然思います。しかし、それは技術だけではなく、医者としての使命感や人の命への尊厳、倫理観をしっかりと持つことが大前提です。そのような大前提の資質を教えてくれるのが医学部の役目だと思うのです。

コロナは確かに予想外の出来事で、医学部を責めることはできません。

せめて、医学部の先生方にお願いしたいのは、そのような倫理観を自ら考え、学ぶことの大切さを生徒たちに教えていただきたいのです。

必要な体力やチームワークを身につける機会も失いつつある

医学部の学生は本当に授業が大変で勉強をたくさんしなければついていけません。しかし、その中でも、実はほとんどの学生が部には入部するのです。それも意外に体育会系の運動部に。男子も女子もです。みんな、その中で、過酷な医療現場でやっていくための体力、精神力を養い、そして部活動を通じて生まれる連帯感、チームワークを財産としていくのです。医者同士の縦や横のつながりは実はとても太く、部活動での先輩後輩の関係性はとても仕事にも役立つようです。

しかし、そんな大切な部活動の機会も、今奪われているのです。多くの医学部が出校停止でオンライン授業であり、当然部活動も禁止されているからです。8月に入り少し解禁されてきたようですが、当然、密にならないようになど色々条件が出されています。しかも、おそらく大会も年内は開催できないでしょうから、頑張るモチベーションが下がってしまいます。

医学部生は、他の学部の生徒に比べるとどうしても運動能力、練習量に差が出てしまうので、医学部だけの大会が準備されています。それを東日本エリアの医学部の大会なら「東医体」、西日本なら「西医体」という名前で開催されます。これには、看護学科の生徒も参加しますが、多くが医者の卵だらけの大会です。圧巻ですね。付き添いの先生方は当然お医者さんなので、誰か怪我したり倒れたりしても、「どなたかお医者様はいらっしゃいませんか〜」なんて言う必要もありません。医者だらけです。何なら怪我人も医者の卵なんですから(笑)。

ちょっと話が脱線してしまいましたね。

コロナ禍で医科大学病院の経営が厳しい中、医学部への投資や教育の質の低下がないことを願います

コロナ禍で、多くの人が病院にいくことを避けるようになりました。以前なら少し頭が痛いだけで、すぐ病院に行っていた患者が我慢するようになりました。当然、患者数が激減し病院の収入も激減です。ボーナスが出せない病院の話題がニュースになったりもしましたよね。すべての医学部に大学病院が併設されています。その医業での経営難が医学部の教育の質の低下につながらないことを、親としては願うばかりです。

最後にまとめたいと思います。

まとめ

コロナ禍の中で、心配されることばかり書いてしまいましたから、これを読まれた受験生や親御さんは不安になってしまいますよね。すいません。でも、悪いことばかりではありません。これを機会に、患者は病院の使い方を考える機会になり、オンライン診察や、スタッフの勤務体制、医者の働き方改革などが否応なしに進むことになりました。良い改革も医学界の壁で前に進められなかったものが、進められるようにもなりました。確実に今、医療の世界も変動をしているでしょう。私の子供が研修医として現場に出る頃には、ブラック職場と言われている医療現場も変わっているかも知れません。これから医学部を目指す受験生の皆さんが医者になる時には尚更です。

今回のコロナは、荒治療と言うか劇薬でしたが、医療界の「ウミ」を出すいい機会になったのではないでしょうか。私たち親は、そう思って期待することにしましょう。

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