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コロナ禍のもとで行われる大学入試試験では志望大学の個別対応チェックが必須
受験生とその保護者の皆さん、いよいよ入試まで3ケ月を切り大詰めですね。防衛医科大学を受験された受験生はひとまずホットしているのかもしれません。この時期になればさすがに志望校を確定し、赤本も2クール、3クール目という方もいるかもしれませんね。
巷では、コロナで休校したことによる授業の遅れが問題になっているようです。従来の出題範囲まで授業が進めない高校があったりすることで、受験生に不平等が生まれないようにすべきという流れです。
2020年6月に文部科学省が各大学に宛てた通達「令和3年度大学入学者選抜実施要項について」の中で、「新型コロナウイルス感染症対策に伴う試験期日及び試験実施上の配慮等」を通知しているそうです。先に挙げた、高校ごとで差が出ていることに対しての対応を依頼した訳です。これを受け、各大学は入学試験で昨年度までには無かった対応を打ち出す可能性が高くなります。大学の対応次第では、受験生は10月以降の受験対策を軌道修正する必要が出るかもしれません。志望校がどんな対応をするかという情報を入手し、それに対応した対策と勉強が必要だということです。
通常、医学部を目指すレベルの受験生が所属する進学校なら、高校2年生で3年生までの授業内容を終えてしまっているのが一般的なので、コロナ休校による影響はほぼないと考えられますが、大学受験という大枠で文部科学省は考えるので、進学校でない普通レベルの高校に合わせざるを得ないのでしょう。もちろん、浪人生もフルの範囲を勉強してきているのでせっかくのアドバンテージを台無しにされた感はあるかもしれません。
一般選抜の個別試験について、大学がとるかもしれない対応は大きく分けて次の3項目のようです。
●試験日の複数日程、追試験、後期試験の新設
●出題教科・科目を減らす
●教科書の出題範囲を限定、選択問題を出題
この対応は、コロナウイルスが来年も感染拡大することを想定したものと、今年のコロナ禍の影響による高校での学業の遅れを考慮したもので、現役生と浪人生との学力格差を減らすことが目的です。
私は、今年度の医学部受験は浪人生にとても有利に働くと予想していました。もちろん10月に実施された防衛医科大学の試験ででもです。休校の影響は少なからず現役生の受験勉強にマイナスの影響を与えます。浪人生も塾や予備校の休校はあったでしょうが、基本復習ばかりの浪人生にはマイナスは少なかったでしょう。
ですから、文部科学省の通達は、ある意味、現役生と浪人生ということで考えると浪人生にとって余計な対応措置だったということになる訳です。
レベル高い医学部がどこまで配慮してくるかは未知数
文部科学省の通達はあくまで要望であり強制力のある指示ではありません。レベルの低い私立ならそれなりの措置をとるかもしれませんが、医学部が試験のレベルを落としてくる可能性は低いように思います。
ですから、志望校の個別対応がどうなるのかを調べることは必要ですが、気をゆるめず、また範囲が狭まるとか試験のレベルが下がるなんて安易な期待はせず、フルの範囲で精一杯の準備をしておくことをお勧めします。
それがレベルの高い受験生が戦う医学部受験というものです。
こんな言い方は、差別、蔑視な考え方だと怒られるかもしれませんが、医学部を受験する皆さんは、本当に一握りの上位の優秀な受験生ばかりなんです。他の人たちとは違うんです。それぐらいの誇りと自信を持ってもいい努力を重ねてきたのですから。
それゆえ、戦いは超ハイレベルです。少しの油断もできません。
それでは寒くなってきましたが、くれぐれも風邪やコロナにかからないよう対策をとりながら、受験勉強頑張ってください。
保護者の方も、どうぞ受験されるお子さんが少しでも快適に、万全の体調で受験に望めるよう気を引き締めて見守ってあげてくださいね。