少し前に投稿した私の記事で、地域枠削減の記事がありましたが読んでいただけているでしょうか。→こちらの記事
目次
医学部人気の影で低迷する地域枠(推薦枠)入学
医学部受験において、地域の医師不足を解消するための地域枠受験が避けられる傾向にあり、おおよそ医学部定員の20%近くを占める地域枠定員が定員割れを起こしているのが現状だということに対する問題を取り上げています。
その記事では、なぜ学生が医学部の定員割れを起こすほど地域枠を避けるのかまで書かせていただいています。
かいつまんであげると、
●地域枠で入ると当然、その地域から出ることができずその大学の医局人事に首を握られる。
●長く僻地の病院に行かされることが多く医師として技術と知識を磨くことが難しい。
●医師仲間から馬鹿にされ、下に見られる。
といったことがあるようです。
医学部内で下に見られ馬鹿にされてしまう地域枠組
医学部に通う現役医学部生の私の子供に聞いたところでは、学生の間でも、本当に地域枠(推薦枠)で入学した学生は、学生の間で馬鹿にされ、下に見られているらしく、噂は事実のようです。
こんなことを書くと地域枠で入学された学生の皆さんには申し訳ないのですが、地域枠で入学した学生の多くは学力的にも、精神的にも、一般入試組と比べると下であることが多いのも事実らしいです。
それはそうでしょう。地域枠(推薦枠)は、センター試験の得点が低いにも関わらず(もしくは免除されて)入学していますから、学力は一般組よりも下なのは事実です。そして、必死に一般入試を勝ち抜いてきていない分、精神的にも鍛えられていません。その点、一般入試組は、必死に勉強し、中には1浪、2浪、それ以上の多浪生もおり、鍛えられ方が違います。
医学部の授業についていくのが大変な地域枠組
地域枠合格の学生の学力不足は、医学部に入学した後にも現れるらしく、地域枠組みは授業についていくことができず留年や、退学していく生徒も多いようです。
医学部というところは、本当に勉強することが多く、授業についていくのが大変だと言います。医学部受験をする中で、試験勉強の習慣付けや、効率の良い勉強方法が身についていないと、たちまち授業についていけなくなってしまうからです。もちろん、地域枠全員がダメになる訳ではありませんから、かなり偏見に満ちた意見になっていることは認めます。でも、そう言われるぐらい周りから色眼鏡で見られてしまっているということなのです。
まあ、一般入試組より楽して医学部に入ったのですから、多少は我慢も必要でしょう。そんな風に言うのは、苦労の末入学した一般入試組の半分やっかみでしょうか?
岩手大学の地域枠偏差値に思うこと
この表をご覧ください。河合塾の発表している全国医学部の前期後期、一般、地域枠、それぞれの偏差値表の中にある岩手大学医学部の2020年の結果です。岩手大学といえば国立大学です。国立大学医学部は、超難関中の難関と言われていますが、なんと岩手大学医学部地域枠入試では偏差値が60を切っているではありませんか。
一般入試枠が偏差値62.5。これも低いは低いです。しかし、それにもまして驚愕するのは、地域枠が偏差値57.5だと言うことです。国立医学部どころか、私立医学部でもこんな50代の偏差値なんて近年は見たことがありません。岩手大で何が起こっているのでしょうか。いろいろ内部でゴタゴタが起こっているとも聞いていますが、とにかく学生に敬遠され、その結果、偏差値が低下しているのでしょう。
こんなに偏差値が低いと、医学部内の勉強について行けるのか?地域枠組の生徒の進級率が心配です。留年者が増えるのではと懸念されます。この学年が6年生になり医師国家試験を受ける学年になった時この大学の国試合格率はどうなるのでしょうか。医師国家試験の合格が危ういものは6年の卒業試験で不合格にして医師国家試験そのものを受けられなくすることも大いに考えられます。実際に、各大学の医学部が競うのは、合格者数ではなく合格率なのですから。
まとめ
このような地域枠への偏見や差別は、2021年からの地域枠削減で変化していくでしょうか。私は地域枠がある限り、差別や偏見はなくならないと思います。ただ、本当に医師を目指していてどうしても点が足りないという学生にとっては神様のくれたチャンスといっても過言ではありません。本当に医者になりたいたいけど、少し学力が足りない人がこの地域枠をうまく活用して夢が叶えられるようになればいいですね。