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医学部再受験にはだかる年齢の壁
私の子供の場合、医学部受験を現役、1浪目、2浪目と経験してきて、医学部受験の現実の厳しさを痛感してきました。
年々高まる医学部受験のレベルの凄さはもちろんですが、他の学部にない「年齢の壁」という厳しさに対して感じたものです。
医学部といのは、他の学部と違い「医学部に入る=医者(または研究者)になる」というほぼ就職に近い意味合いを持ちます。
そして、その医者を育成する機関である医学部には多額の国の援助が税金より投入されるわけです。
一人の生徒を医者にするために、在学中に約1億円ものお金がかかると言われています。
入学金や授業料で賄えない差額が税金で賄われることになるわけで、
一人の医学部生が将来医者として1年でも多く現役で働いてもらいたい
が、国の本音な訳です。
そのためには、1年でも若い人を入学させた方が早く医者になり、一人の生涯労働年数が多くなるわけですね。
これが、「医学部再受験にはだかる年齢の壁」です。
要は、再受験生=歳をとった人=医者として働く生涯労働年数が少ない人と見られるのです。
ですから、多くの大学が現役重視で、浪人生、再受験生に厳しくなるのです。
再受験生の定義とは
再受験生といってもいろいろありますね。大きく2つに分けると、
●他の大学(学部)に入学したが、在学中、もしくは卒業してから医学部を再受検する人
●就職して社会人になったけど、改めて医者を目指して医学部に挑戦する人
が言えると思います。
実際、私の子供の同級生には、多浪生(1浪〜6浪)の他、再受験組として京大を卒業してから医学部を再受験した人、厚生労働省などの官僚経験者など様々いるようです。
そのため1年(回)生の入学時の平均年齢が23歳だったと聞きました。
再受験生が医学部受験する時は「行きたい大学」ではなく「行ける大学」を狙え
学風や知名度、実家からの距離など、受験生が志望する「行きたい大学」はそれぞれあるでしょう。しかし、再受験生は絶対、行きたい大学選びではなく、行ける大学選びをしなければ合格は叶いません。
再受験生は、歳をとっている分、圧倒的に不利なんです。
再受験生は先に説明した理由で、歳をとっている分不利で、若い現役生が優遇されてしまいます。これは、仕方ないことなんです。
税金を納めている親御さんの立場なら考えるとわかりますよね。
自分たちが払っている税金が医学部生に使われるなら長く働ける人に投入して欲しいと思いますよね。
ですから、再受験生は「年齢に厳しい大学は避ける」「再受験生でも合格している大学を選ぶ」必要があります。
この表は、2020年1月に公表されたセントマリアンナ医科大の得点調整の実態調査結果です。一番焦点にされたのは男女格差で、女性は最初から男性に比べて80点の差を付けられて合否を判定されていた訳です。許せない事実ですが、この場ではその議論は置いておきます。見て欲しいのは、現役、1浪、2浪・・・と受験生に得点操作がされている点です。こんな操作をされたら、よほど優秀でないと多浪受験生は合格できません。
ましてや、再受験組みはもっと難しい試験と基準をクリアしなければならないのです。
これは極端な事例かもしれません。でもこれが現実なのです。
再受験生に厳しくない国立大学
とは言いながら、再受験生でも多くの合格者を出している大学もいくつかあります。いいですか、いくつかです。逆を言えば再受験生に優しい大学はほとんどないということです。
では再受験生に厳しくない寛容な大学とは?
東京大学、山梨大学、富山大学、岐阜大学、三重大学、滋賀医科大学、奈良県立医科大学、大阪大学、岡山大学、香川大学、九州大学、熊本大学
といった大学が比較的、再受験生に寛容な大学と言われています。しっかりそれぞれの大学の合格者実績や出題、面接傾向を研究してみてください。
皆さんのご健闘をお祈りしております。