新型コロナウィルスの猛威が世界を混乱と恐怖に陥れています。世界的に蔓延する患者。そして疲労する医療関係者。この時代に「医療崩壊」という言葉を聞くことになるとは。それも複数の先進国でそれが事実起こっているのです。自分を守り、家族を守ることを優先したい中で、献身的に医療の現場で働く医師やスタッフには本当に頭が下がります。国によっては研修生や医学部5年生まで駆り出されています。私自身、まだなんか映画の世界を見ているようで、この事実を受け止めきれておらず、毎日悪化するニュースを見るたびにどんどん現実でないような錯覚に陥るばかりです。
そんな中でも、受験という二文字は確実に来年に向けて進み始めています。こんな時だからこそ、医師を目指すお子さんを持つ家庭は冷静になって考えていく必要があります。このピンチをチャンスにどう変えていけるかが来年の医学部合格を近づけることになるのです。
どうか、どうか、一度お子さんと家庭の中で冷静に、受験に向けて何をどうしたらいいのかを話し合ってください。高校も、塾も授業を取りやめ自宅待機の中で個々がどうするかが問われるのです。
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2021年の医学部受験に与えるであろう影響予測
この新型コロナウィルス感染症の拡大により、日本経済はもとより世界的な不況に陥ることが予想されます。それがいつからいつまでかは不透明で先が見えない不安と恐怖の中でこれから過ごしていくことになるでしょう。この状況は、医学部受験に大きな影響を与えるのは必至です。これまでも不景気になると、有名大学や技術や免許が習得できる学部に受験生が集まる傾向にあったようです。どんなに有名企業を目指してもその門戸は狭まり、またどんな一流企業だって将来どうなるかわからない状況です。しかもこれから始まる世界的な大不況の中で、就職活動はそれこそ就職氷河期と言われた世代の時よりも一層厳しいものになるでしょう。そうなると、当然安定した就職先を目指せる大学に集中するのは自然な流れです。そしてその大学の筆頭が医学部なのです。医者はどんな不況でも安定していて、しかも高給とステイタスが約束されているのですから。
また、この世界的な医療崩壊の中で献身的に働く医師の姿を見た若者が、医師を尊敬し自分も目指したいと思い始めるのもまた自然な流れなのではないでしょうか。
このようないくつかの理由から、2021年の医学部受験、特に国立大学医学部受験を目指す生徒は増大することが予想されるわけです。私がもし、優秀な高校3年生の子供を持つ親なら、まず医学部を受験して欲しいと当然願うでしょう。サラリーマン家庭なら、国立は医学部を受験し、私立は早稲田慶応あたりで併願する。子供の約束された将来を考えるた場合の完璧のコースではないでしょうか。欲をいえば、私立の医学部も受験したいところですが、一般サラリーマン家庭では難しいでしょう。
この危機的状況をチャンスにどう変えていくかが問われる
2020年度の医学部受験生は2019年に比べて91%程度と大幅な減少となりました。それは、来年2020年度から実施される大学入学共通テストでは浪人生は不利になるとの憶測から、2020年に浪人することを避けた医学志望の受験生が多かったからだと分析できるそうです。医学部受験生の7%程度しか合格できないと言われる医学部受験です。次の年に浪人生は不利になると分かっている受験で浪人になる可能性の高い医学部受験は避けられたのでしょう。
しかし、2021年はその反動もあるでしょうし、何より先ほど書いたように、大不況の中で安定した職として医者を目指す受験生が増加することが予想されます。
では現実はどうでしょう。今学校や塾が4月に入ってからも休校となり自宅待機させられているのは都市部のに限られています。地方の県ではおそらく医学部受験に向けてスタートダッシュをかけているでしょう。地域によってもうスタート時点で大きな格差が生じてきています。
かといってそれを嘆いていても仕方ありません。地方は地方で、都市部は都市部でこの状況下、どうそれをチャンスに変えていけるかが明暗を分けることになりそうです。
有名な進学塾では早速マンツーマンでオンラインでのサポートサービスを始めているところもあります。浪人生は浪人生で塾が休校でも勉強方法はすでに身についているでしょう。それぞれ置かれた立場でできる最善の受験勉強の方法を模索しましょう。
これだけ休校が続くと夏休みも短縮されるでしょう。例年だと「夏やすみで差をつける!」とか謳い文句で夏期講習を募る塾が出てきたりしますが、夏は差がつきにくいかもしれません。
おそらく、今が差がつく時なのだと思うのです。みんなが浮き足立って、学校や塾が機能不全に陥っている中で、いち早く受験勉強のスタートダッシュをできた生徒が勝つのです。
2021年度からの大学入学共通テストの大きな特徴
今までのセンター試験では「いかに暗記するか」が重視されてきました。医学部受験でさえ、暗記力の勝負とさえ言われていたのです。しかし、大学入学共通テストでは、記憶力だけではなく、応用力が求められます。自ら考え、解答を組み立てる問題が増えていくそうです。それは大切な語句を記憶し、公式の使い方を覚えるだけでは正解を導けないもののようです。インターネットやSNSで必要な情報や知識はいつでも入手できる環境にあります。これからの人材は、その情報や知識を生かせるかが問われていくことになるのです。
さすがに、記述式の問題は見送られましたがマークシート方式の問題でもこの応用力が問われる問題形式が多用されるでしょう。
その大きく舵を切ろうとしている大学入学共通テストの対策は、出版されている参考書や大学の過去問集(いわゆる赤本)では不十分なのは言うまでもありません。様々な情報を集め分析している進学校や有名塾が有利になるのかもしれません。
そういったこともトータルに考慮していく必要がありますね。
まとめ
私の子供が医学部受験を最後にしたのはもう3年も前になります。その時と今とでは本当に天国と地獄ほどの違いがあるように思います。本当に同情すると言う言葉しか見つかりません。
しかし考えてみてください。条件は一緒です。全国の受験生、そしてその親も今は途方に暮れて、不安でいっぱいなのです。
その中で、1日でも早く冷静に対処し、来年の受験に向けてロケットスタートできる人だけが医学部合格を勝ち取れるのです。
どうぞどうぞ、受験生の皆さん、そして親御さん。身体にだけは気をつけて、頑張ってくださいね。
私も、医学部受験を子供と経験してきた親として、感じたこと、思ったこと、体験してきたことをお話ししていきたいと思います。