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女子の医学部生が増加するとこれからの医療の質はどうなるの?

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2018年の東京医科大学の不正入試問題で、医学部において女子受験生への減点操作が発覚して大騒ぎになったことは記憶に新しいかと思います。医学部受験を目指していた女子やその親御さんたちもさぞかしショックを受けたのではないでしょうか。いや、そうじゃないかもしれませんね。医学部を目指すほどの受験生や親御さんなら、男女で合格率に差があることや、男性医師を多く育成したい医療現場の事は少し調べればわかる事です。それに、もし親御さんが医師だったりする家庭なら、男女の差別は公然の事実として知っていたでしょうから。

今回は、女子のお子さんをお持ちの家庭に向けて、女子であるお子さんが医師になった時、医療現場でどんな状況に置かれるのかを少しお話ししてみたいと思います。ただ、最初に言っておきたいことは、決して私は医療現場において男女差別の擁護派ではないと言うことです。今までの医療体制や社会制度の中では、どうしても男性社会にならざるを得なかったと思いますが、今後、変わっていくべきだと思っています。ここでは、それでも事実は事実として自分たちの子供がこれから身を投じる医療の現場の男女医師の現実を知っておく必要があると思い、記事化させていただきます。

目次

女性医師比率が低いのは医療現場では当たり前の事!の意味は?

ちょっと古いデータですが、2008年時点での医師全体の中で女性医師がどれほどいるかをOECD加盟国で比較した表が厚生労働省から出ていましたので、それをご覧ください。

※引用:厚生労働省 HP

なんと日本では医師全体の中で女性が占める割合がわずか18%しかなく、加盟国で最低なんです。これが現実なのです。当然、これは医学部の合格の男女割合にも連動している訳で、明らかに操作されているのわかりますよね。

女性の医師希望者が少ないとか、女子の頭脳が男子に劣るなんてことは絶対にない訳ですから、大学側が意図的に操作しているとしか思えません。

ではなぜ、女子の医師の割合がこんなにも低いのでしょう。

それには2つの理由が考えられます。

❶ある程度の年齢になると女性医師が結婚や出産で現場を離れてしまう。

❷元々医師になれる女子の数が少ない(医学部の女子合格率が低い)。

と言うことです。医療現場に限らず、一般の会社でもやはり結婚や出産で離職する女性は多くいます。子育ては女性がやるもの。男性は家庭を支える大黒柱として育児よりも会社勤めをするものだ。と言うのが日本の風潮ですし、それでいいと長く考えられてきました。

そんな風潮というか文化が女性医師の割合が低いことに大きく影響しているのです。

女性医師は医療現場で敬遠される

一般の会社でも、女性は結婚や出産でいつかは会社を辞めるもの、辞めないまでも出産すれば育児中心になり、育休や時短勤務、急な休みや早退が多いものと思われています。実際、事実そうなってしまっています。結婚ですぐ寿退職するのはどうかと思いますが、出産は女性しかできないのですから、やもえませんよね。それに、育児に関しては本来父親である男性にもできるのに母親に任せてしまっている男性にも責任があります。

このような状況は医療現場でも同じで、とにかく女性医師は

❶いつかは辞めるか育児休暇をとる。

❷男性医師ほど残業や徹夜など無理をさせることができない。

❸離島や地方勤務を嫌がる。

❹救急外来や重傷手術を避ける。

と思われていて、実際、それが事実な訳です。

その結果、医療現場では男性医師に負担ばかりかかってしまい、それなら女性医師よりも最初から男性医師がいい!となる訳です。

それはおかしい!もっと女性医師もちゃんと働け!と男性医師側が、言おうものなら、マタハラ(マタニティハラスメント)だとかセクハラだとか言われてしまいます。さらにさらに、上司の医師が無理を言えばパワハラだ!と言われてしまうのです。

他の国で女性医師の評価はどうなのか?

医師のその研究によれば、確かに日本(現在も女性医師率20%程度)の医療の質は、世界でも高いレベルに位置づけられています。しかし日本より医療の質が高いと評価された国、例えばスウェーデンでは女性医師率が44%、フィンランドに至っては55%と、女性医師の割合が日本よりはるかに多くなっています。「女性医師が増えると医療の質が下がる」どころか、質が高くなっているのが現状です。

もし、日本の医療界で「女性の比率が増えると医療の質が下がる」という意見が根強いのであれば、それは「性別」ではなく、女性特有の課題を解決できない「システム」に原因があるのではないか?ということが考えられます。

どういうことかというと、例えば

❶出産を機に辞める女医が多い→産休中の臨時医師を準備できる体制を取る。

❷男性医師ほど徹夜や無理をさせられない→根本的に男性医師も女性医師も無理をしなくても良い勤務体制を取る。

❸育児休暇や時短勤務になる→夫(男性)も育児休暇を取りやすい環境を社会全体で整える。

などです。他にも、育児中の女性医師の仕事を女性医師同士でシェアしたりするのも良いでしょう。女性特有の妊娠や生理など、人類にとって必要な部分は男性にはできないことなわけで、そこを理解し合わなければこの問題は永遠に続くでしょう。

女子合格率が上昇し女子医師割合が高くなっていくと未来はどうなる?

先に書いたように、大学入試で男女差別が問題になり、今後改善されていくでしょう。それに伴い、女性医師比率も上昇していくことになります。さらには、結婚しない、子供を産まないことを選択する女性も増加しています。日本も海外のように、5対5、もしくは女性医師の方が多くなることさえ考えられます。

そうなるとどうなるでしょう?男性の私から言わせれば、女性に厳しいのは実は同性である女性です。男性はまだ女性を守らなければ、と気遣う部分がありますが、女性は女性に容赦がありません。世間で言う「マタニティハラスメント」や「パワハラ」は、女性同僚からや女性上司からと言う場合も多いようです。女性同士だと嫉妬や妬みの感情も生まれます。いじめさえもありとても複雑です。

女性医師が増えると、今より問題が増えるんじゃないかと思うのは私が男性だからでしょうか?

まとめ

いかがだったでしょうか。超ブラック職場と言われそれが黙認状態となっている医療現場。ギリギリの状況に置かれている医師たちの中で、どうしても男性比率を高めることが必要悪として続いている現実を少しだけ理解していただけましたか?かと言って、男女差別をなくすために女性医師も男性医師と同じようにブラック状態で働くことが解決策となるわけではありません。先に記述したように、ブラック職場となってしまう根本原因を変革していかなければ何の解決にもならないからです。

私たちの子供が医師になり医療現場に出る頃には、少しでも改善されていることを祈るばかりです。

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