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コロナ不況による経済的困窮に追い込まれる大学生の救済は?
新型コロナウィルスにより世界経済が停滞・減速し私たちの生活にも多大な影響を与え始めました。当初私の記事ではコロナと医学部受験や医大生の生活への影響などをお話ししていましたが、とうとう保護者であり、サラリーマンである私たち親にまで影響が。それも経済的な打撃という。
おそらく、多くの保護者がテレワークや休業、最悪解雇という状態に置かれているかと思います。これからの5月以降もっとその傾向は強まり、減給、ボーナスカット、最悪人員整理と進んでいくでしょう。その中で、これから医学部受験を目指す学生の皆さんは、学費の心配をせざるおえないでしょうし、医学部に在籍している医学生の皆さんも親が学費を払えるのか?心配ですし、おそらく医学生はアルバイト禁止になっているはずですから自分の生活費も直撃し困窮している事でしょう。
我が家も、まだ我が子が医学部4年生になったばかり。教育費に多くをつぎ込んできたため貯蓄もほとんどできていない中、もうすぐやってくる今期の学費の請求に頭を悩ませています。
ニュースでは、「今日本以上に大変なアメリカでは、新型コロナウイルスの影響を受けて、9月に大学に入学予定の約2割の高校生が入学を辞退する可能性があることがわかった」と伝えています。
今後さらに入学辞退者が増える可能性もあります。日本でも同様の傾向が出てくるのではないでしょうか。
政府も全く無関心でいるわけではなく、国民に一律10万円の給付を決定しましたが、そんなものは焼け石に水です。限りある財源なので無償でいただけるお金には限りがあるでょうが、奨学金や無利子での貸付などより手厚い救済が欲しいですね。
そこで、今回は、まさかの時に備え、奨学金や教育ローンなどの情報をまとめてみましたので参考にしてみてください。
政府の学費等支援策を活用しよう
文部科学省は3月26日、「新型 コロナウィルス感染症の影響で学費等支援が必要になった学生のみなさんへ」というタイトルで制度を紹介し活用を呼びかけています。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経済状況が急変した学生は、授業料・入学金免除/減額、給付型奨学金支給の対象となる可能性があるんです。まずは家庭の中でやりくりし、どうにもならなくなったら、こういった制度の利用を考えてみてください。絶対に、大学を諦めたりすることのないように!コロナなんかに負けないで一緒に頑張り抜きましょう。
制度の詳細はこちらを参照→文部科学省の説明PDF
各大学も救済措置を取り始めました
各大学でも、学費の減額/延納措置が取られており、まずは各大学の学生課や奨学金窓口に相談することをおすすめします。実際、私の子供通う医学部の学生課からも今期授業料の支払いに対して、奨学金に切り替えるかどうかなどの確認通知が来ました。大学もこのような状況で学費が支払えない学生が自主退学していかないか懸念しているのです。
また、法律的にはアルバイトでも「休業手当」の請求が可能となっており、シフトを削減された分の一部給料(6割程度)をもらうことはできるようですが、これは実際にもらうことは難しいでしょう。アルバイトという立場では法律を盾にとっても、裁判するわけにもい気ませんし現実的ではありません。
奨学金制度を利用したいとお考えの場合は主に以下の選択肢が考えられます。
どれが自分たちに適用可能か、また将来の返金などのリスクも考えながら決めていかれることをお勧めします。
また、制度利用の場合、自分であれこれ悩んでいるぐらいなら、自分で、また保護者と同伴でも大学の学生課窓口に相談しにいってください。まだ高校3年生の受験生の皆さんの場合は、高校の担任に一度相談に出向かれることをお勧めします。
主な奨学金制度
1.日本学生支援機構(旧:日本育英会)→HPはこちら
第一種奨学金(無利息)と第二種奨学金(利息付)があり、どちらも返還の必要がある。奨学金制度の中では最も利用者が多い。平成30年度入学者の場合、貸与月額(第一種)は、自宅外から国公立大に通う場合51,000円または30,000円(私立大に通う場合は64,000円または30,000円)。■「給付型奨学金」制度を創設
経済的理由により進学が極めて困難な人を対象として、給付型奨学金が創設される。給付額は月額20,000円~40,000円(国公私別や通学形態により異なる)で、一定の学力要件を満たすことが条件になる。2.大学独自の奨学金制度
主に私立大が独自に設けており、貸与型、給付型の両方がある。2年次以降の学生が対象となるケースが多い。また、入試で優秀な成績を修めた受験生を対象にした特待生制度では、授業料の一部あるいは全額が免除になることが多い。3.地方自治体の奨学金制度
自治体が設置している奨学金で、保護者がその自治体の住民であることが条件になっているところが多い。また貸与型が多い。日本学生支援機構の奨学金との併用が不可の場合もあるため、よく調べる必要がある。4.民間団体・その他の奨学金
保護者が病気や事故で亡くなったり障害を負ったりした場合に、その子どもを支援する団体(例「あしなが育英会」や「交通遺児育英会」など)の奨学金制度や、新聞配達員として働くことで奨学金が受けられる新聞奨学生制度などがある。奨学金の申し込み方法
日本学生支援機構の奨学金は、在籍している学校(高校や大学)を通じて申し込みます。
ポイントは、高校在学中に進学後に受け取る奨学金を予約する「予約採用」と、大学進学後に申請する「在学採用」の二つがあるということ。大学入学後、すぐに奨学金を受け取りたい場合、「予約採用」を申し込むといいでしょう。なお、「在学採用」は、大学入学直後に募集があり、大学を通じて申請する形となっています。
大学独自の奨学金制度の場合、受験時にすでに「奨学生」として募集がある場合や、大学入学後に申請、面接などを経て支給が決まる場合などさまざま。志望校の場合、どのような仕組みになっているのかを調べておくといいでしょう。※以上ベネッセHP引用
日本学生支援機構も新型コロナ感染症により困窮する学生や家庭の支援対策を強化されています。
一度、HPをチェックしてみてください。奨学金は昨今悪いイメージがありますが、決してそのようなものではありませんから。
特にこのページの中でも、新型コロナウィルス感染症を受けて家計が急変した方への支援 というページはぜひ目を通しておいてください。
日本政策金融公庫の教育ローン
奨学金というのは、親ではなく学生本人に返済義務が生じる未来の負債となるリスクがあります。そして用途にも制限があったりとメリットだけでなくデメリットもありますね。
教育ローンというのは親の負債となります。しかし、大学受験から進学にかけて必要となる「教育資金」として多様な用途が可能となるメリットがあるのです。予備校・塾の費用、出願料、入学金、学費、引越費用からアパート代、はたまたパソコン代や定期代まで。大学受験のサラリーマン家庭の頭を悩ます「教育資金」ですが、奨学金とは異なる「国の教育ローン」は受験学年になる前から利用して塾・予備校代にまでも使える、など、実は大学生、受験生を抱える家庭にとって強い味方と言えるでしょう。しかし、こちらは奨学金と違い、返済不要な措置などはなく、純粋な負債となりますから返済の見込み、覚悟がある場合に利用してください。
→詳しくは日本政策金融公庫HPへ
社会福祉協議会の貸し出し制度の利用
今回新しく開始された全国の社会福祉協議会の「緊急小口資金」制度は、学生も対象になっており、基本的には貸与になるものの、一定額、無利子で借りることができるようです。
いくつかある選択肢の中に入れてみてもいいかもしれませんので、参考に記載しておきます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、アルバイト収入が減少している学生に対して貸付を行うことは可能か。
(答)
○ 特例貸付は、従前と同様に、世帯に対して貸付を行うものであり、
・ 雇用形態がアルバイトかどうか
・ 身分が学生かどうか
に関わらず、相談者の世帯が、新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少等により生計維持のために貸付を必要としている場合であれば、貸付対象となる。(緊急小口資金、総合支援資金ともに同様の取扱。)
○ なお、未成年者で婚姻していない場合には、親権者または後見人の同意が必要である。
出典:生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付の 運用について
まとめ
以上が今私からお伝えした情報でした。最初にもお話ししましたが、今回の新型コロナウィルスの影響で、多くの受験生、そして大学生、さらにはそれを支えるサラリーマン家庭(私も含め)が困窮していくことが予想されますが、このことで医師になる!という夢を諦めることがないよう、今までの努力を無駄にすることのないよう一緒に頑張っていきましょう。医療崩壊を起こしている現状で、医療スタップの重要性が今まで以上に見直されるでしょう。未来の医療を支えるのは皆さんなのです。
※日本若者協議会代表理事の室橋さんという方のHP等を参考にさせていただきました。ありがとうございました。