医学部合格を果たした家庭の体験を元にこれから医学部を目指す皆さんにアドバイス

国立大学医学部受験を普通のサラリーマン家庭から目指す人必読

サラリーマン家庭から医学部に入れる為にすべき事

医学部特有の入試制度である「地域枠」は、よほどの覚悟がない限り利用すべきではない!

更新日:

受験生の皆さんは、医学部受験で合格を目指し、それこそ死に物狂いで勉強をしているかと思います。

そして、保護者の皆さんも、少しでも試験の情報を集めようと躍起になっておられるのではないでしょうか。
どの医学部が自分に有利か、どんな試験内容か、そういった研究も大学受験では重要です。
そんな中、一般的な入試とは別に「地域枠」に希望の光を見出す家庭もあるかと思います。
そこで、今回はこの地域枠について少し考えてみたいと思います。

まずは地域枠について知っておきましょう

最初に言っておきますが、私の意見は「地域枠には飛びつくな!」です。

確かに真正面からの入試で医学部を目指すより、ある程度合格の可能性が高まるでしょう。
しかし、おいしい話には毒があるんです。裏があるんです。
それを十分理解したうえで、それでも地域枠を選ぶのであれば反対はしません。

医学部入試の「地域枠」とは

医学部入試の「地域枠」とは、地方の医師不足を解消することを目的に、地域の医師確保政策のひとつとして実施されているものです。

大学によっては「県民医療枠」とか「特別養成枠」のように呼ばれている所もあるようです。
特定地域の医師不足を解消することが目的なので、この地域枠で入学した医学部生は大学が指定する地域(大抵はその大学がある都道府県の地方や僻地)で、医学部卒業後医療に従事してもらうことが義務付けられることになります。

地域枠というのは、何か特別な試験があるわけではありません。

通常の「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」などにおいて、それぞれその定員の中に「地域枠」という定員が設けられるのです。
地域枠とそれ以外の枠との違いは、出願要件です。
●特定の地域出身(主にその大学のある都道府県や市町村)の受験生しか出願できない。
●医学部卒業後の医師として従事する勤務地が指定されることを承諾するもの。
等の条件があることが殆どです。
大学によって、その内容は若干異なるようなので、出願する際には必ず確認しましょう。
特に、医学部の地域枠は将来の勤務地まで決まってしまうような半就職色の強いものなので、受験生本人はもちろん保護者の方もしっかり内容を確認してあげて、家族で納得できる条件かを確かめましょう。

なぜ地域枠の利用をお勧めしないのか?

一般の受験生より少しでも合格に近づけるのなら地域枠を利用した方がいいじゃないか!と思われるでしょう。

おそらく、高校の担任も地域枠を勧めてくるかもしれません。

高校は少しでも良い大学や学部に入学してくれれば学校の成績になり評価が上がるのですから。

でも、大学に入学してからのことまで高校の担任は責任を取ってくれません。

入学してからは、あなた自身の人生であり自分で責任を持つしかないのです。

地域枠をどうして勧めないのかいくつか理由がありますが、ここからはそこに触れていくことにしましょう。

そのためには、先に記載した大学の出願要件についてもっと詳しく解説していく必要があります。

地域枠を利用できる主な要件を理解しておこう。そしてその裏に隠されたデメリットを覚悟もしておこう

地域枠で入試を受けるためには、学生募集要項でその要件をしっかり把握しておきましょう。
ライバルが減ってラッキーなんて安易な気持ちでそれを利用してしまうと、後で大きな後悔をしてしまうことになるからです。
私はこの制度の裏にあるデメリットも理解し覚悟した上で、利用することをお薦めします。

それでは代表的な3つの要件を上げていきましょう。

●居住地域の制限:ある特定の出身者のみ受験できるという要件です

ほとんどの受験生や保護者がこのイメージが強いかと思います。
「自分たちの住む地域にある医学部が地元出身者を優遇してくれる制度」だと。
確かにその側面はあるでしょう。地元の優秀な人材が医者になり、地元で医療を支えてくれる地産地消の流れは大切です。
反面、多くの場合、この要件には次の「ある期間は卒業後に必ず地元で勤務する」という要件が付加されることが多いので、併せて確認しておく必要があります。
地元の優秀な人材を地元に縛り付ける制度という側面も併せ持っているからです。

●卒業後の確約:大学卒業して医師国家資格を取得した後、地元で勤務することを確約するという要件です

全ての地域枠がこの要件があるわけではないようですが、この要件がある場合は特に注意が必要です。
この要件を承諾してしまうと、いくら他府県の病院に勤務したいと思っても望めません。

最初から、地域医療のために尽くしたい!地元から出るつもりもなく、ここで医者として骨を埋めたい!

という志を持っている受験生にとっては、これ以上ない素晴らしい制度・そして要件だと思います。
しかし、医師としての技術を磨き、高めたいと思っている受験生にとっては、大学を卒業して医師になっても、この要件の為に地元に縛られある意味「飼い殺し」になるためその夢を諦める決心が必要となるのです。

●修学資金貸与:大学入学から卒業までの6年間、修学資金の貸与をしてくれるという要件です

これは、奨学金制度と同じような制度です。

経済的な理由で大学を諦めなければいけないような境遇の家庭なら利用する価値は十分あります。
働きながら返還しなければならない奨学金とは違い、この地域枠の修学資金貸与は、卒業後9年間、指定する地域の病院で研修を受け医師として勤務すると、大学6年間の修学資金返還は免除されるからです。

もし、指定以外の地域で働きたいからと、この修学資金を返還しようとしてもほぼ認めらません。
ですから、「学費等をだしてやるから必ず地元で働け!」とお金で地元に縛り付ける制度とも言えるのです。

 

このように、地域枠の入試要件には

地域の医師不足を解消するため、これから医師になる人材をその地域に拘束するの力

が備わっていることが理解できたでしょうか。

その力を逆に利用して医師への夢を実現させていくも良し、医師の高みを目座すため縛られない道を選ぶも良し。

あなた次第なのです。

地域枠入学組に向けられる冷たい視線  地域枠=レベルが低い連中というレッテル貼り

地域枠は、ある意味入試で優遇されているため、一般入試合格組よりも頭が悪いというレッテルを貼られてしまいます。
それは、推薦入試組も同様です。
実際に学力が低いのかどうなのかはわかりませんが、学生間でそういった格付けがされ、差別とは言わないまでも、馬鹿にされ続ける傾向にあるようです。
それは、伝統的に医学部内に根付いている悪しき意識ですが、覚悟はしておかなければいけません。
我が子が通っている医学部でも、やはりそういった地域枠や推薦枠組みを馬鹿にする風潮はあるようですし、実際、地域枠や推薦枠の学生たちが授業についていけず留年したり退学することも多いようなのです。
この悪しき意識は、決して褒められたものではないのですが、必死に一般入試で合格を勝ち取った学生からすると「楽をしやがって」と妬み、逆恨みしてしまうのも致し方ない感情なのかもしれません。

地域枠を甘く見て利用すると後悔する

地域枠を利用する際に、必ず知っておかなければならないことがこの要件意外に2つあります。
それは

①地域枠で願書を出して、合格したら必ず入学しなければいけません

国立大学や私立大学、また私立大学も複数併願受験していく受験生は多いと思います。
しかし、もし地域枠で入試を受けた大学が合格すると、他にもっといい大学が合格していたとしても必ずその地域枠のほうの大学に入学しなければいけないという規則になっています。
この地域枠を甘く見てはいけません。強い拘束力を持っているのです。

行きたい大学に黙っていれば分からないだろうなんて考えていると大変なことになります。

情報は国立・私立にかかわらず医学部で共有されているのです。

②卒業後、他の地域で働きたいと申し出ても認められません

入試募集要件に「大学・自治体」が指定する地域で勤務することが記載されている場合、よほどの特例が認められない限り、指定の地域以外で医師として勤務することは出来ません。
修学金をもらっていた場合、それを一度に返還すればいいだろうと考えても無駄なのです。
もし、強引に指定以外の地域で働くと、貴方の医師としての将来がなくなるだけでなく、あなたを受け入れた勤務先の病院も国からの補助金が減額され、医師会からも目を付けられるなど大きな代償を支払うことになるのです。

③地域枠で合格した大学を辞退して浪人したり、途中で自主退学したら二度と医学部合格はできなくなります

地域枠の要件がやはり嫌だからと、例えば合格を辞退して計画的にその年は浪人したとします。

翌年他の医学部を受験すればいい!なんてずるいことは考えてはいけません。

例え試験で良い点が取れたとしても、ほぼ100%面接で落とされてしまいます。

地域枠合格を辞退した時点で医者になる資格がないと判断されてしまうのです。

それは、自主退学して他の医学部を再受験したとしても同じことです。地域枠合格の呪縛から逃げることはできません。

地域枠を作ったことによる弊害

ついでに地域枠という制度を作ったことによる弊害もお話ししておきましょう。

先に書いたように、地域枠合格者は学力が低いと言われています。

また、死に物狂いで医学部試験を勝ち抜いてきた正規組とは「医師になりたい!」というモチベーションにも差が出てしまいます。

そのため、地域枠の割合が多い大学では、その大学の医学部全体のレベルが落ちてしまう傾向にあるのです。

結果、留年率が異常に高かったり、医師国家試験の合格率が低くなってしまうようです。

本当にそうなのか?と思われるかもしれませんが、事実数字に現れているのですから仕方ありません。

私が思うに、この制度ができてまだ間もないですが、あと数年もすると、地域枠で入ったレベルの低い医師が特定の地域に集中してしまう危険もあるのです。

レベルの低い地域枠合格者であっても医学部在学中に努力して学力を身につけ、なんとか医師国家試験に合格したとしても、医師になった時、その地域に縛られレベルの高い病院で学ぶ機会が得られないのですから、優秀な医師になりにくいのです。

地域による医療レベル格差が生まれてしまうことが懸念されます。

【まとめ】保護者としては飛びつきたいところだけど、おいしい話には毒があることを忘れないで!

このように、医学部入試における「地域枠」の制度は、地域の医師不足を解消するメリットと、地域の医療レベルを低下させてしまうデメリットを持ち合わせた諸刃の剣だと言えるでしょう。

しかし、何がなんでも医学部に合格したい!経済的理由で修学資金の貸与を受けなければ医学部を目指せない!という受験生にとってはとてもありがたい制度であることは確かです。

私が今回の記事で言いたかったことは、しっかり「地域枠」の要件の意味することを理解した上で、覚悟と決心を持って地域枠入試を受けなさいということです。

後でこんなはずじゃなかった!こんな条件知らなかった!やっぱいいやだ!なんて身勝手なことを言えば、自分ばかりか大学にも、国にも迷惑をかけてしまうのです。

そして何よりも、あなたが医師になりたいという夢が果たせなくなってしまうのです。

しっかり地域枠について研究し、受験生と保護者、そして高校の担当も含めて話し合いあって決めることが大切なのです。

⭐️今回の記事の参考書籍

日本評論社 上昌広著書「ヤバい医学部」より

もっと詳しく知りたい方はこの本でお読みください。

-サラリーマン家庭から医学部に入れる為にすべき事

Copyright© 国立大学医学部受験を普通のサラリーマン家庭から目指す人必読 , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.