お子さんの医学部受験は、誰のために、何を目指してやるのですか?
子供の医学部受験をサポートしている内に、どの家庭でも陥りやすい落とし穴があります。この穴に落ちてしまうと、家庭内不和やお子さんがそもそも大学受験そのものへの興味やモチベーションを無くしてしまい、お子さんの将来の明るい未来を閉ざしてしまう事態を迎える可能性もありますから要注意です。
今、親御さんたちに尋ねたいです。
医学部受験は誰のためですか?なんのためですか?
親の見栄になっていませんか?
子供が医学部を目指していること自体に酔っていませんか?
まだ合格もしていないのに、私たちは勝ち組だとか思っていませんか?
いつからか、「わたしの子供は医学部受験を目指しているのよ」「将来は医者にしたいの」などど、親戚や近所に言ってしまっていませんか?
こうなってしまっているあなたは、もう「危険な医学部受験の落とし穴」にはまり込んでしまっていますよ。
いいですか、そんな状態になっているあなたにとって、子供の医学部受験はあなたの「見栄」に変質してしまっているのです。自分の子供が医学部を受験するという事実だけで夢に酔って自分が認められているような、勝ち組のような錯覚に陥ってしまっているのです。
特に私たちのような医者とは縁の無かったサラリーマン家庭では医学部を目指すというだけでなんか夢のようですし、周りからも「すごいね〜」「優秀なお子さんを持って幸せですね」「親族の期待の星だね」などと言われたらなおさら気持ちが舞い上がってしまいます。
そんな状況で、ついお子さんに言ってしまっていませんか。
- 絶対に合格してもらわないと困る!
- 今更、合格できなかったら恥ずかしい!
- 誰のために苦労していると思ってるの!
- もっと勉強しなさい!
- なんでこんな成績なの!
心当たりはありませんか。私も言ってしまっていました。
この言葉一つ一つが、お子さんを追い詰め、苦しめ、悲しませているのに気づいていますか?
もう一度、思い返してください。
なんのためにお子さんの医学部受験を応援しているのですか?
あなたが周りに自慢するためですか?自己満足のためですか?勝ち組になるためですか?
違うでしょ。
お子さんの人を助ける仕事に就きたい。医者になってお金持ちになりたい。
そんな、お子さんの夢を叶えるためでしょう。
そしてその夢が叶えば、お子さんの未来が必ず幸せになると信じたからでしょ。
それがいつからか、自分の夢になり、そして見栄になる。そしてお子さんを追い詰める。
それは不幸な結果しか生みません。
もし、見事にお子さんが医学部合格を果たしたとしても、お子さんはそこで、燃え尽きてしまうかもしれません。
なんのために、医学部に入ったんだろう。
お母さん(お父さん)に言われたから?合格できたら、家庭でうるさく言われなくて済むから?
そんな風にお子さんは自問自答するかもしれません。
私自身、この落とし穴に入り込んでしまいそうでした。
きっと、どの親も一生懸命になればなる程そうなってしまうのだと思います。
ですから、もしそうなっている自分に気づいたら、すぐにお子さんに話をして欲しいのです。
自分がどんなにか、あなたを追い詰めてしまっていたのか気づいたことを。
そして謝りましょう。
そして、大切なのは、医学部に合格するというのは家族みんなの夢だけれど、
あなた自身の夢の実現のためだよ。と夢の意味をもう一度お子さんと話し合ってください。
お子さんに夢を返してあげてください。
きっと、夢に向かっていたはずの列車が脱線しかかっていたとしても、
またまっすぐ夢に向かって元気よく走り出してくれるはずですよ。
これは経験者として、自分をかえりみて反省しつつ、今の親御さんが同じ思いをしないように、
お伝えしておきたかったことです。
あなたの家庭のお役に立てれば嬉しいです。