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医学部を目指す受験生と保護者の皆さんに伝えたいこと

医学部を目指す家庭に起きやすい「教育虐待」!

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目次

教育虐待という言葉知っていますか?

皆さん、「教育虐待」という言葉を知っていますか?
昔から「教育ママ」という言葉があり、その言葉は決して良い意味で使われることがありませんでした。
母親による教育も度を過ぎると、子供を追い詰め不幸な結果しか生まなくなるからです。

医学部受験を目指すお子さんや親御さんは、この「教育虐待」の加害者や被害者になってしまう可能性がとても高いため、今回はこのテーマについてお話したいと思います。

あなたは教育虐待の加害者になってしまっていませんか?

子供の幸せを考え、良い教育を受けさせ、良い大学に入れ、一流の会社に就職させたり、資格を取らせたりしたいと思うのはどんな親でも考える事でしょう。
不幸なのは、子供の為と思い始めたことがいつしか自分の夢どころか見えやエゴに変わり、子供自身の希望や夢とは乖離したものになってしまう事です。

「我が子を医者にしたい」という親の夢やエゴを我が子に押し付けて、良い大学を目指させる。
まさにそれは「教育虐待」にほかなりません。
自分の見栄で子供に教育を押し付けている「教育虐待」の現実を、聞きざわりの良い「子供のためだから」にすり替えていませんか?

子供のためだからと教育熱心がエスカレートしていき「教育虐待」になってしまっていても、親自身はそのことに気づかないそうです。何せ「子供のため」という免罪符があるからです。子供も親の期待に応えようと頑張っているうちに、精神的に追い詰められまいってしまい心が病んでしまう。そんな不幸が起こってしまうのです。

医学部受験につきまとう「教育虐待」

医学部は比較的多浪が許される学部です。またある程度、歳をとっても受験できるのが大学受験です。
何浪してでも医学部に合格して医師にさえなれば人生逆転できるし、本人はもちろん、親も「子供が医学部生・医師」というだけで、高いステイタスが得られます。
そんないろいろな要因が重なり、1回受験に失敗してもあきらめず何度も受験してしまう子供は多いし、親も夢をあきらめきれず本人の意思とは関係なく何度も挑戦させてしまう事が多いようです。

これは医学部ならではの現象でしょう。
「一流の企業に就職したい!させたい!」というのが子供や親の夢ならば、許される猶予は1浪まででしょう。
それは多浪経験者はどうしても現役合格者よりも就職が不利になってしまうからです。企業は1年でも多く会社で働いてくれる人材を欲しいと思うでしょうし、同期の協調性を考えるとできるだけ同期は同年齢で揃えたいと思うのが普通でしょう。
ですから、一流の企業を目指すなら早い段階であきらめというか妥協せざる負えないため、「教育虐待」があったとしても年齢の壁で終わりが来るのです。
しかし、医学部は違います。終わりがないのです。わが子の通う医学部では6浪や7浪で入学した生徒が実際に何人かいるそうです。1年生の平均年齢が23歳ということも言っていました。

低学歴な親にありがちな教育虐待

教育虐待は低学歴な親で起こりやすいそうです。自分が十分な教育が受けられなかった!自分が医師になる夢を叶えられなかった!自分はいい大学に行けなかったから恥ずかしかった!そう言った親の後悔を子供に託してしまいがちだからです。

しかし、親の後悔を子供に託し押し付けてしまうことは絶対にしてはいけないそうです。

俗な言い方をするならば、自分ができなかったことを棚に上げて、無理なことを子供に押し付けている!ということだからです。

私自身を振り返ると、私は3流の大学を浪人してやっと合格した程度の父親です。母親は専門学校が最終学歴。そう言った家庭から、我が子が医師を目指すこと自体、無謀な事のように思っていましたが、決して自分にできなかったことを子供に押し付けることはしませんでした。

正直、内心では、自分の子供なんだから、そんなに賢いはずがない!ましては医学部なんて夢でしかない!と思っていました。

幸いにも、我が子は努力する人間でした。もともと賢い子ではなく、自ら努力して「できる子」になったのです。

教育虐待と医学部受験を「親子の二人三脚」で戦うことは紙一重

よく、医学部受験は「親子の二人三脚」で戦うことが合格のために重要であると言われています。
私もそう思いますし、我が子の医学部受験の際にはそうしていました。
※父親である私よりも主に母親がその役割を果たしていましたが・・・・

子供の叱咤激励することは大切だが、感情的に起こるのはNG!

子供はまだまだ精神的にも社会経験的にも未熟です。当たり前です。
ですから親はそれを補いサポートしてあげなくてはいけません。
時にはくじけそうになったり、怠けてしまう子供を叱ることは必要です。
特に医学部受験は超難関のため、受験勉強は過酷なものになり、モチベーションを維持し続けることが大変なのです。
しかし、感情的になり、「もっと勉強しなさい!」「だからあなたはダメなのよ!」などと怒ってしまうのは絶対にしてはいけません。
一生懸命子供のことを考えるうちに、いつしか感情的になってしまうことがあるでしょう。
医師になるという夢を子供と共有していたはずが、いつしか親の夢になり見栄になることもあります。
それは本当に教育虐待と紙一重の所に在るのです。

親は「子供の夢のためのサポート」ができているか冷静に自分を振り返る習慣を身に付けましょう

あくまで親は「子供の夢」を実現させるためのサポート役だと心がけることが大切です。
感情的にならず冷静に自分の言動が子供にとってどんな影響を与えるのかを考える習慣を身に着けていけたらいいですね。
最初から教育虐待モンスターになろうとしてなった親はいないはずです。
我が子がかわいくない親はいないのです。
夫婦ならお互いを客観的に見て注意しあうのも良いでしょう。

こんな言い方をすると、女性蔑視だなんてお叱りを受けるかもしれませんが、
母親の方が我が子への愛情が深い分感情的になり、さらに親戚や近所、友人への見栄を張り教育虐待に発展する傾向が強いような気がしています。
父親は、客観的に我が子をみれるけれど、会社での社会的立場を考える傾向が強くついつい子供のことよりもいかにいい大学に行けるかを優先的に考えてしまう傾向にあるのではないでしょうか。
少なくとも我が家の夫婦はその傾向がありました。

どちらも悪い方にその影響が出ると子供にとって最悪なのです。

まとめ

超難関の医学部合格を果たすために、親子で夢をもって臨むのはとても大切なことです。
それが行き過ぎて、親による「教育虐待」が起こってしまう可能性があるのも事実。
医学部受験では、その可能性が高いと私は考えますが、みなさん、もう一度、胸に手を当てて「本当に自分は我が子の幸せを願った言動になっているだろうか」「自分のエゴになっていないだろうか」自問してみてください。
叱咤激励は大切です。感情的になった怒りの言動は何も良いことを生みません。
ぜひ、そこを考えてみてくださいね。
皆さんがお子さんと夢を実現されることを願っています。

追伸

今、医学部受験で起きがちな「教育虐待」について持論をお話ししてきましたが、それを裏付けるような事件の判決がニュースに載っていたので、ご紹介して置きましょう。

医学部受験で9年浪人 〝教育虐待〟の果てに… 母殺害の裁判で浮かび上がった親子の実態

という記事です。まさに、医学部を目指した母と娘の夢が、いつしか親の夢・エゴ・見栄になり、子供を追い詰めてしまう典型例です。最後に母親を殺害してしまうという最悪の結末になってしまい、心が痛んだ事件でした。

私たちはこの事件を教訓にして学ばなければなりません。痛ましい事件ですが、医学部を目指す家庭ならぜひ一度読んでみて下さい。

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