医学部合格を果たした家庭の体験を元にこれから医学部を目指す皆さんにアドバイス

国立大学医学部受験を普通のサラリーマン家庭から目指す人必読

医学部に入学した我が子を見て思うこと

医師としての資質に関して父親として思うこと

投稿日:

医師になる人は、どんな資質を持っている人なんだろう。おそらく誰でも何かしらの医師の理想像を持っていて、答えられる問いだと思います。現実問題、その資質以前に、絶対条件として「医学部に合格できるだけの学力がある人」という恐ろしく高い壁があるのですが、その上でこの資質が問われるのです。

私は最近、医師としての資質に関して、よく考えさせられます。それは、現在医学部4年生の我が子と一緒に生活する中で、我が子にはたして医師になる資質があるのかどうかを考えてしまうんです。

もう20代半ばを迎える我が子は、年齢で言えば十分大人の入り口にいます。医師として必要な医学知識を学ぶことは大好きで、嬉々として勉強に励んでいるのは頼もしいと思っています。しかし、人間としての成熟度が足りないと思えるのです。私自身、偉そうなことは言えないのですが、少なくとも50を遠にすぎ、ある程度の経験をしてきた人間としての重みは持っているつもりです。そんな父親から子供を見て、まだまだだと思うのは当たり前なのですが、この子が医師になるのかと思うとついつい厳しい目で見てしまうのです。

人間としての成熟度。ちょっと難しい表現ですね。例えば、簡単に言えば、「弱者の立場に立って考えられるか」「犠牲の心は持っているか」「命の尊さ、人間の尊厳を理解しているか」などかもしれません。

父として、我が子にこんな医師になって欲しいと願う「理想の医師像」です。絵に描いた理想像でしかありませんが。

そんな理想像と比べると、我が子はとてもとても不満というか程遠いのです。

患者に対してクールに割り切った判断をしないと医者はできない。命も助けられるものとそうで無いものとがある。医師に嫌われる患者は損をするのは仕方ない。などなど、日頃の会話の中で出てくる言葉が、あ〜と感じるものが多いのです。

私の教育が悪かったのか・・・・・。

もちろん、とても可愛い我が子ですよ。近所にも挨拶ができ、ペットのワンちゃんのお世話もちゃんとします。お父さん(私)の代わりに母親の話もちゃんと聞いてくれます。お年寄りにも優しく出来ます。

こと医療の世界の話となるとクールなんですよね。たまに、お前はそんな考え方じゃダメだ!というのですが、何が悪いの?といった対応です。本当に心配になります。

文部科学省がまとめようとしている「医師としての資質」というものがあり、その叩き案が紹介されていました。それが下記の7項目らしいです。

医師としての資質(案)

❶人の命と健康を守る医師の職責への十分な自覚のもとに、医師の義務や医療倫理を遵守し、絶えず患者本位の立場に立つこと

❷生命の尊厳についての深い認識のもとに、豊かな人間性を有すること

❸医師としての業務を遂行する職業人として必要な実践的能力(統合された知識、技能、態度・行動に基づく総合的診療能力)を有すること

❹人間理解に立った高い協調性のもとに、医療チームの一員としての行動や後輩等に対する指導を適切に行えること

❺患者及びその家族の秘密を守ること

❻医師として、地域における医療・保健・福祉等の連携および医療の経済的側面等の医療を巡る動向に関心・理解を有すること

❼医学・医療の進歩における医学研究の必要性を理解し、研究に参加するとともに、絶えず医療の質の向上に努め生涯にわたり学習する意欲と態度を有すること

かなりの理想像ですね。医師になるのは本当に大変です。

最初に言いましたように、医師になるには、まず医学部に合格できる学力が必要です。そしてその学力を身につけるには、多くのものを犠牲にして勉強をしなければいけません。

その犠牲にしてきたものには、

●友達と友情を深める時間

●家族や親族との時間

●文化や芸術に触れる時間

などたくさんあります。特に私が感じるのは、友達との時間です。子供の頃、友達と遊ぶ時間を塾に費やし、本当に親友と呼べる友を作ることができていません。むしろそんなものは勉強のためには無駄だという始末です。ちなみに付き合った人もいません。自宅に友達を連れてきたこともありません。そんな中で、十分な人間形成ができているのか心配です。

しかし、おそらくその時間を作っていたら医学部には合格はできなかったでしょう。

ですから、今、その失ってしまったものを取り返して欲しいと願っているのです。

幸いにも、医学部では、体育系の部活に入り、仲間もでき、多少ですがバイトもするようになり社会経験もしてきています。医学部授業では学べないことをそれらの日々の生活の中で学んで欲しいと思う親心です。

皆さんはどうですか?

自分には、また我が子には医師としての資質があると思いますか?

医学部入試では、必ず面接があります。その面接で受験生の適正や資質を見られます。まあ、15分程度の面接では判断できないでしょうから、高校時代の活動や成績もトータルに見て判断されるのでしょう。

私が思うに、医学部生に大切なものは、

●自分の性格や思考を冷静に分析できる力

●素直に自分を認められ、反省でき、変われる努力ができる力

なのだと思うんです。我が子に、そして皆さんにこの力があることを切に願います。

-医学部に入学した我が子を見て思うこと

Copyright© 国立大学医学部受験を普通のサラリーマン家庭から目指す人必読 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.